平成23年度 留学生だより(13)

バールドゥ・ニコラ(フランス)

琉球大学での実り多い留学生活

琉球大学 短期留学生(トゥールーズ・ル・ミライユ大学)
バールドゥ・ニコラ(フランス)

私の日本語学習暦は4年間で、フランスでは「あ、い、う、え、お」をはじめとする基礎的な日本語を3年間勉強した。日本語の面白さと、とても深い歴史と文化が、私の目に魅力的に映った。そのため、フランスの大学に在学中に日本への留学の可能性が生まれた瞬間、私はすぐ応募した。私にとって日本に留学をするのはいいチャンスだと思ったからだ。もし留学をすれば、もっと日本語が勉強でき、生きたその国の文化が体験できる。留学した先輩から、琉球大学の短期留学プログラムは非常に効果があり、色々な体験ができると聞いていたので、琉球大学への興味が高まった。しかし、正直なところ、その頃の私は、沖縄についてあまり知らなかった。知らないからこそ、未知の琉球大学へ留学したいという気持ちが強まったと言ってもいいだろう。

外国語を習うためにもっとも効果のある方法は、外国に行くことだと思う。だから琉球大学への留学で、日本語を上達させ、新たな知識を身につけようと思った。実際、私の日本語の能力は大変向上した。私の日本語の読解、聴解、文法、漢字の能力がすべて向上した。また、授業の一環である、スピーチ大会や、プロジェクト・ワークによるビデオ作品制作が体験できた。日常のコミュニケーションも日本語で行ったことは、私の日本語の能力をより高めるためによかった。また「ビジネス日本語」の授業も受けるチャンスがあった。この授業は日本で就職を考える外国人にとって大変役に立つと思う。さらに、リアルな沖縄と日本の文化を学ぶことができた。これも大切な側面だと思う。文化と言語はつながっているので、両方を学ぶことによって効果があると思う。さらに、米軍基地問題について学んだ。フランスの大学で、法律を専攻していたため、基地問題は非常に興味深いと感じ、それをテーマに日本語でレポートを書くことにした。この1年で、文献を調べたり、専門家の話を聞いたりして情報収集をしてまとめることができた。また口頭発表もした。このような日本語を使ったアカデミックな経験もでき、たいへん良かった。

沖縄での留学生活では、授業で習ったことを実際に使うことができた。日本人の友達ができ、日本の考え方、マナー、ライフスタイルも学べた。このような体験から、やはり、日本語だけではなく、文化を学ぶことも大切だと感じた。また、サークル活動も体験した。空手サークルで仲間とともに毎週楽しく練習し、空手がとても好きになった。そして、着付けの先生に着物の着方を教わり、着物の着付けコンテストにも出ることができた。やはり、留学生活は授業外の時間も大切で、多くのことを学ぶことができ、異文化理解ができた。国際的な仕事をするためには、外国語だけではなく、真の異文化理解が必要だと思う。だから沖縄での経験は貴重である。

フランスに戻ったあと、日本語の学習をぜひ続けていきたいと思っている。この留学で、日本語と日本文化に対する理解を深めることができたからこそ、本当に続けていく意欲が湧いた。フランスへ帰っても練習し、日本語の能力が落ちないように努力するつもりだ。

留学を経験した今、留学する前に立てていた将来の計画が変わってしまった。国際法だけではなく、国際関係に興味が湧いてきたので、専門にしたいという意欲が湧いてきたのだ。また将来、日本に関係のある仕事や、日本語が使える仕事を見つけたいという気持ちになっている。もし私が留学していなかったら、このような道に進むことはなかっただろう。その夢に近づく第一歩として、近い将来、日本でインターンシップをしたいと考えている。インターンシップはいい体験になるだろうし、琉球大学で習ったことを具体的に生かせるだろう。さらに、サークルで始めた空手も続けていきたい。沖縄で学んだ日本文化をフランスで、できるかぎり紹介していきたいと考えている。

沖縄への留学で、日本語の能力を高めることができただけではなく、日本の色々な側面を学ぶことができた。確かに、留学をするのは言語を習うことが目的の一つであるが、その他にもコミュニケーション能力、社会的な能力が高まり、実り多い経験になったと思う。沖縄で得た知識と経験は私の大学での勉学や、私が将来、仕事をした時に、非常に役に立つと強く思っている。留学のチャンスを与えてくださった方々や、私を支え丁寧に指導をしてくださった先生方、そして私をあたたかく受け入れてくださった沖縄の人々に感謝している。