平成23年度 留学生だより(2)

ニンニョ・エスピナス(フィリピン)

沖縄の留学生活

沖縄キリスト教学院大学 英語コミュニケーション学科 1年
薛 美容 (中国)

いつの間にか沖縄に来て三年になった。中国で高校を卒業して、大学に進学するか他の道を選ぶのか結構迷った。大学に入学し、四年間をかけて卒業した後、自分に何ができるかを深く考えていた。その時に、「日本に留学してみないか」と親戚が言った。日本はとても暮らしやすい国で社会の秩序も安定していると言った。私も子供の頃から外国に行ってみたいと思っていた。日本の漫画、電気製品、車にも興味があり、家族も賛成していたので、高校を卒業して一年後日本に来た。

外国である日本に来たばかりの私の最大の問題は言葉だった。中国で日本語を二ヶ月しか勉強していなかった私は最初、言葉の問題で少し苦労した。学校の先生はほとんど日本人の先生で、先生が言う事があまりわからなかった。でも、先生達はその状況を理解し、工夫をしてわかりやすい授業のプリントを準備し、易しい日本語を使って説明してくれた。先生達の協力で、日本語の勉強をうまく始めることができた。しかし、言葉は容易に身に付けられるものではない。ある日、留学生の友達と一緒に出掛けた。町の風景は中国にいた時に見た風景と違うので、私達は好奇心がありすぎて、つい遠い所に行ってしまった。迷子になった私達は慣れない日本語で道を尋ね、そして、ペンと紙を使って筆談し、なんとか学校の寮に戻った。この事があったから、もっと日本語の勉強を頑張ろうと思った。

日本の生活や勉強に少しずつ慣れてきたとき、アルバイトを探そうと思った。アルバイトは日本語の勉強にもとても役立ち、生活費も自分で賄う事が出来る。そう思い、何回も電話して面接した。日本語が上手く話せないので、なかなかアルバイトが見つからなかった。長い時間をかけて探した後、やっとアルバイトが見つかった。その気持ちは今思い出しても嬉しい。

職場で先輩達はわからない事を一つ一つはっきり教えてくれた。とても真剣な態度で、私は仕事をする時も十分気をつけていた。でも仕事が終わったら、先輩達は優しくしゃべってくれた。日本人は仕事の時はきちんと仕事をする。仕事以外の時間はまた別人になる気がした。仕事と生活がはっきりと分かれている事がわかった。

三年半、いろいろ経験した。楽しみもあったし、苦しみもあったが、全部自分にとって価値があると思う。半年前には沖縄キリスト教学院大学に入学する事が出来た。私は今大学で英語を勉強し、大学の生活を楽しんでいる。先生も日本人の学生達も優しくしてくれる。英語の大切さがわかって、この大学に入って英語を学びはじめた私は、いつか英語も身に付け、よい仕事を探そうと思っている。