平成22年度 留学生だより(6)

新垣 ジェシカ(ペルー)

「沖縄に来て初めてわかったこと」

沖縄大学 法経学部法経学科 3年
ティリ ソーウィン (ミャンマー)

私は2008年4月29日にミャンマーから沖縄へやってきました。もうすぐ2年間半になります。留学する前は教科書で学んだことや、戦争の時の映画とかを見て日本人は優しくないと判断し、ちょっと心配しながら留学を決意しました。

私が沖縄に到着した3日後の5月2日、「ナーギッ」という名の大型サイクロンがミャンマーで猛威をふるったのです。ミャンマーはこれまで大きな自然災害にあった経験もなく、十分な対策もとっていなかったので大きな被害が出てしまいました。

その時学校の先生方から「ミャンマーの被害者のために募金活動をしないか」と提案がありました。先生方の温かい気持ちがよくわかり、胸が熱くなりました。それから私たちは、募金活動をするためのチラシを作ったり、いろいろな人に声をかけて、協力を仰ぎました。募金活動当日は先生方と学校の友人たちみんなが協力して、那覇市のパレット久茂地前で募金活動をしました。募金に協力してくれた多くの人たちは「大変だけど頑張ってくださいね」と励ましてくれました。

国や文化が違ってもまるで自分の家族の誰かのことのように考えてくれた人々の優しさに触れ、感動しました。沖縄には「いちゃりばちょーでー」という言葉があります。「一度会えば皆兄弟」という意味だそうです。私たちも世界各国から縁あってここ沖縄に集まり、勉強することになりました。沖縄へ来るときは家族と離れ、一人暮らしでしたが、ここでたくさんの兄弟を得ることができ、つらい時や困難にぶつかったときにも共感していただいて、解決もできました。皆様に心から感謝しています。

それは2年前のことですが、私にとっては一生忘れられないことでした。沖縄へ来る前に自分で勝手に判断したことは全く違うというのがわかりました。

その募金活動をきっかけにボランティア活動に興味深く感じました。また、沖縄大学のISO14001をはじめ、環境について受講したおかげで世界の環境問題に気付き、今後も私のできる範囲で日本とミャンマーの架け橋としてボランティア活動に関わっていきたいと思います。