平成22年度 留学生だより(3)

呉海寧 (中国)

雪国から南国へ

沖縄県立芸術大学大学院 芸術文化学研究科 後期博士課程 1年
呉海寧 (中国)

私は中国の一番北にある省、黒竜江省から、日本の一番南にある県、沖縄にきました。四季がはっきりして、冬はまるで雪国である黒竜江省から、年中緑が目に満ち溢れ、雪は全く降らない沖縄にきました。

言葉も気候も違い、距離的にはるかに離れている沖縄には、私にとってなぜか距離感を全然感じないのです。むしろ、初めてきたときから、ずっと一種の親近感を覚えています。

私は中学校から日本語や日本の文化に興味をもつようになり、高校卒業後に日本への留学を決心しました。日本の古い文献は漢文で書かれているように、日本と中国の、文学やさまざまな領域での共有文化につよく魅かれたため、学部で日本古典文学を専攻しておりました。そして学部の4年間と修士の2年間を琉球大学で過ごし、今年の4月から県立芸術大学芸術文化学研究科の博士課程へ進学しました。

日本語の勉強や専門知識の習得、アルバイトなどが最初大変だったが、どんな困難に出合っても、楽観的な私はきっと乗り越えられると確信して、留学生活を送っています。沖縄での留学生活はとても有意義で、専門知識の勉強以外、さまざまな人と出会い、いろいろな面での勉強ができ、自分自身にとっても大きな成長でした。私にとって、とても素晴らしい時間を過ごしました。

留学経験によって、異文化を尊重する姿勢を持つようになり、また日本文化を専攻してきており、他文化をしっかり理解できる自信を持っています。日本、ことに沖縄の固有の歴史と文化に親しんできました。自らにとっての異文化としての日本・沖縄の文化を地域文化として尊重する姿勢をつくりあげ、比較文化論的な視点を獲得して研究を進んでおります。

沖縄は、かつて中国明、清の冊封国であった琉球国として、独特な歴史や文化背景を持っています。しかし、古くから中国と盛んな交流史をもった沖縄は中国の人々にあまり知られていません。そこで私は、沖縄の歴史や文化を中国の人々に伝え、文化共有意識をもたらしたいと思っています。そのために、博士課程では、もっと専門知識を勉強し、自分自身の能力を高め、研究成果を積み重ねていきたいと考えています。

そして、とくに日本、沖縄の文化を中国へ紹介し、専門的な知識を伝播し、有意義な文化交流に貢献できる研究者を目指して頑張っていきたいと思っています。